不夜城|馳星周|おすすめ小説ランキング

不夜城|馳星周

不夜城|馳星周 辛口感想

 

 

出ましたノワールの巨匠馳星周の傑作シリーズの第一弾。
日本一の歓楽街として知られる街・新宿歌舞伎町では中国人たちが勢力争いを繰り広げていた。
日本と台湾のハーフ・劉健一は、歌舞伎町で故買屋をしながら、中国人の裏社会を器用に渡り歩いていた。そんなある日、かつての仕事のパートナー・呉富春が歌舞伎町に現れた、と聞かされる。
富春は、歌舞伎町を仕切る上海マフィアのボス・元成貴の右腕と称された男を殺し逃げていた。富春の帰還を知った元成貴は、富春は元相棒の健一に3日以内に富春を連れて来いと命じる。
健一の元へは夏美と名乗る女が現れる。しかし、夏美が売りたいものが呉富春その人であり、そもそも富春が歌舞伎町へ帰ってきた理由は、夏美が助けを求めたからだった。富春を差し出しても自分が助かる見込みはないと感じた健一は、夏美の存在を利用し、富春に元成貴を殺させ、別のマフィアに富春を殺させようと企むが…健一の育ての親であり歌舞伎町のマフィアを陰で操る楊偉民も絡み合い、二重三重の嘘と裏切り、マフィア同士の牽制、健一が生き残りをかける。

 

はじめて読んだ「ノワール」と呼ばれる小説だった。ノワールとはフランス語で「黒」。人間の暗い部分、主に、犯罪の暗部や心理を描く犯罪小説。これを読んだ時には、人間が生き残るためにとるズルい汚い部分がこれほどまでかということがわかりました。しかし、そうまでズルく、汚いことをする理由や背景も理解できたような…。

 

特に、シリーズのテーマとなっている楊偉民の狡猾で容赦のないシナリオとその裏をかこうという劉健一の攻防の根源がここにある。後のシリーズで劉健一は楊偉民を出し抜くために、楊偉民が行ってきた自分は前面には出ず情報収集を徹底して行って策略を練る術を身に付けたのだと思う。

 

育ての親である楊偉民の裏切り、劉健一が昔の仲間である呉富春に対する裏切り、夏美の呉富春への裏切り、夏美の劉健一への裏切り…、数えればきりがないが、ここまでくると気持ちいいくらいの展開だったなと、感じました。

 

嘘ばかりつき生き残りを図る夏美。自分の特になる男を次から次へとだまそうとしていき、すべてが嘘の中で男にキレたり甘えたり。ただ、健一はそうした夏美を見越して言う。

 

「おれはお前を連れていきたい。お前が望むところにだ。だけどね、そんな場所はどこにもないんだよ、夏美」

 

同じく生き残りを図る健一は、天性の生き残り術で、そう長くないと感じる夏美との関係を続けていく。健一も生き残るためには何でもするが、嘘はつかない。嘘の代わりに人を巧妙に欺いていく。時には、親友を殺してまで。

 

誰もが生き残るために、嘘をつき、裏切る時を見計らい、殺す時期を待つ。そのひとりひとりの巧妙な心理が文字にせずに、読者が手に取るようにわかるのは、馳星周の文才だからなのでしょう。

 

好き嫌いはあるとは思いますが、私は傑作だと思います。

分類

評価

コメント

ノワール小説 不夜城

裏切りが裏切りを読んで、逆にそれが物語をテンポよく進ませていく快作。

ランクの目安は下記を参考にしてください。

「やめとけ!買うというより読んじゃダメだ。」というレベル。

「やめた方がいい。買うと損するぞ。」というレベル。

「時間があったら読んでもいいんじゃない。」というレベル。

「割といい感じだと思う。」というレベル。

「すごくいいぜ!読む価値あるよ。」というレベル。

「絶対読んで!何が何でも読んでね。」というレベル。
選定した本及び感想については大きく偏っている可能性もありますが、実際に読みたかった本や話題の本などを自分の好みに合わせて読んでいるだけなので、何を意識したものでもありません。また、ここで記述されてある感想についても管理者自身の感想となりますので、何かを保証するものではありません。

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