ワイルド・ソウル|垣根涼介|おすすめ小説ランキング

ワイルド・ソウル|垣根涼介

ワイルド・ソウル|垣根涼介 辛口感想

 

第25回(2004年) 吉川英治文学新人賞受賞、第6回(2004年) 大藪春彦賞受賞を受賞。

 

過去と現在の2部構成からなる壮大なストーリー。正確に表現すると、過去が2つの時代に分けて紹介され、現在となる3部構成ともいえます。

 

まず、驚いたのが、ブラジル移民の話。日本にこんな歴史があったとは知らなかったので興味深いテーマに惹かれました。少し調べてみると、確かに、日本人の労働力を求めて、ブラジルが日本からの移民を奨励していた時期があったようです。当初は、移民とは名ばかりで奴隷のような扱いを受けたとも言われています。このストーリーのようにアマゾンに取り残された日本人がこれほどの扱いを受けていたかどうかは定かではないですが、実際にに似ようなことがあったのなら、あまりにも悲惨で出口のない状況は想像を絶するものだと思います。

 

そして、驚かされるのが、過去の物語で主人公となる衛藤の生命力だ。生命力とは、どんな状況においても生き抜く力。私は過去の物語を読んで、テーマとはずれてしまうが、衛藤の生命力にただただ感動して、自分も勇気をもらったような気がしました。

 

この本のすごいところは、過去のアマゾンでの生活でもそうとうディープな話であるにもかかわらず、衛藤がアマゾンを出てリオ・デジャネイロで立ち直る物語があり、さらに本題であるケイの物語へと進んでいくところです。本来、ひとつひとつがストーリーとして成り立ってしまうほどの内容を3つつなげて壮大な復讐劇にしたパワーはすごいものがると感じました。ボリューム満点です。

 

過去の物語がディープなものであるのに対して、現在の物語は現代風にディープ過ぎない展開となっていて、後半も読むスピードが落ちないところはよく考えられています。

 

ブラジルのアマゾンで野生のように暮らしていたケイの天真爛漫さと芯の強さは見ていてすごく魅力的に映る。

 

日本の印象を聞かれて「貧乏くさい」と答える。

 

「おれの国じゃあ、金のないやつはないなりだ。服装も住む家もそうだ。それで結構笑って暮らしてる。」「だがこの国の連中ときたら、どいつもこいつも飾り立て、少しでも自分をよく見せようと躍起になっている。それがまあ、貧乏くさい」
その通りである。

 

ケイの振る舞いを見ているとこっちが恥ずかしくなってくるのは私だけでしょうか。

 

1点難があるとすれば、最後の終わり方かと思います。ケイの破天荒さは気持ちがいいのですが、あまりにもうまくできすぎている感が否めません。後半はある程度痛快なストーリーへと変わるので、最後は最初のようにもう少し何かを考えさせるも終わり方の方がよかったような気がします。

 

ただ、とにかく、最後の復讐を終わらせるまで目が離せないストーリーでした。

 

ありがとうございます。

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評価

コメント

ミステリー小説 ワイルド・ソウル

過去と現在に別れた2部構成の壮大でなぜか爽快な復讐ミステリー。傑作です。

ランクの目安は下記を参考にしてください。

「やめとけ!買うというより読んじゃダメだ。」というレベル。

「やめた方がいい。買うと損するぞ。」というレベル。

「時間があったら読んでもいいんじゃない。」というレベル。

「割といい感じだと思う。」というレベル。

「すごくいいぜ!読む価値あるよ。」というレベル。

「絶対読んで!何が何でも読んでね。」というレベル。
選定した本及び感想については大きく偏っている可能性もありますが、実際に読みたかった本や話題の本などを自分の好みに合わせて読んでいるだけなので、何を意識したものでもありません。また、ここで記述されてある感想についても管理者自身の感想となりますので、何かを保証するものではありません。

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