新世界より|貴志祐介|おすすめ小説ランキング

新世界より|貴志祐介

新世界より|貴志祐介 辛口感想

 

 

1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖(かみす)66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。周囲を注連縄(しめなわ)で囲まれたこの町には、外から穢れが侵入することはない。「神の力(念動力)」を得るに至った人類が手にした平和。念動力(サイコキネシス)の技を磨く子どもたちは野心と希望に燃えていた……隠された先史文明の一端を知るまでは。

 

バケネズミ、ミノシロモドキなどのキャラクター設定が非常に面白かったです。

 

1000年前の文明が崩壊した理由と、現在に至るまでの歴史を知ってしまう早希たちの長い長い物語が、結構読みごたえがありました。

 

呪力を持つ人間を神と崇め、絶対的に服従しているバケネズミ。人間から正式な漢字名を授かったバケネズミは、突出した能力を認められた者が多く、全てのバケネズミの中でも十数匹しかいないという設定。人間が優位に立つために呪力を使い支配下におさめる。この設定は、読んだときに別段特別ではない何かを感じました。誰かが誰かを支配せざるを得ない状況は不変なのでしょうか。

 

また、国立国会図書館の自律進化型・自走式アーカイブであるミノシロモドキ。1000年も経つと単なるコンピュータではなく、生物的な容姿となって登場するミノシロモドキは、この小説を象徴したものなのではないでしょうか。

 

そのほかにも、風船犬、ネコダマシ、カヤノスヅクリ、トラバサミなど、魅力的な登場人物がたくさんでてくるこの物語は、それだけでファンタジーが成立している感があります。

 

一番印象的だったのは、争いを起こさないために、男女関係なく性行為を行うという風習が一般的となっていること。

 

奴隷王朝のなかで、能力者でありながら社会集団を形成し生活していた能力者集団がいた。彼らは科学技術により他者への攻撃抑制と愧死機構を備えることにより細胞レベルで他者への攻撃を抑制していて、従来の戦いと争いの社会から愛の社会へと作り替えることに決定。同性、異性、大人と子供、子供と子供のフリーセックス。握手をするように互いに愛撫。それにより緊張が和らぐことを推奨して…。

 

うがった見方をすれば、「ホモレズ無差別セックスフリーの世界」となるのでしょうが、考え方としてはありなのかなぁ、と。

 

監禁、拘束、レイプなどがはびこる世界は、それ自体が非道徳として成り立っているからこそ、犯罪が発生する。その根源となる性行為を合法化することで、そうしたことをなくしていく。

 

まあ、それでも人間の世界では別の悪が発生するのは否めないのでしょうが、この設定はストーリー的にありかと思いました。

 

全体的に、ファンタジーの世界を超えてはいないですが、とてもよくできた作品だと思いました。

分類

評価

コメント

ファンタジー小説 新世界より

設定と登場キャラクターが面白い、良くできた作品です。

ランクの目安は下記を参考にしてください。

「やめとけ!買うというより読んじゃダメだ。」というレベル。

「やめた方がいい。買うと損するぞ。」というレベル。

「時間があったら読んでもいいんじゃない。」というレベル。

「割といい感じだと思う。」というレベル。

「すごくいいぜ!読む価値あるよ。」というレベル。

「絶対読んで!何が何でも読んでね。」というレベル。
選定した本及び感想については大きく偏っている可能性もありますが、実際に読みたかった本や話題の本などを自分の好みに合わせて読んでいるだけなので、何を意識したものでもありません。また、ここで記述されてある感想についても管理者自身の感想となりますので、何かを保証するものではありません。

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