模倣犯|宮部みゆき|おすすめ小説ランキング

模倣犯|宮部みゆき

模倣犯|宮部みゆき 辛口感想

 

 

 

 

 

 

2001年11月、第55回毎日出版文化賞特別賞受賞。2002年芸術選奨文部科学大臣賞文学部門受賞。

 

「天才」を自称する犯罪者の暴走を描いたサスペンス作品。犯罪被害者・加害者双方の視点から一つの事件を描写する事によって、エリートを僭称し、完全犯罪を企てたつもりになっている犯罪者の愚かさと幼稚さ、それとは対照的な位置に生きる人々がのぞかせる優しさや器量の大きさを、そして犯罪被害者や加害者の家族が直面する地獄をリアルに再現している。(Wikipedia)

 

1996年9月12日早朝、一家惨殺事件の唯一の生き残りである塚田真一は、犬の散歩中に、大川公園で女性の右腕を発見する。同じ公園からは、失踪したOL・古川鞠子のハンドバッグが発見され、マスコミが大騒ぎするなか、犯人を名乗る人物はテレビ局に「右腕は古川鞠子のものではない」という内容の電話を掛ける。さらに、古川鞠子の祖父の有馬義男のもとにも、犯人から電話があり、孫娘を心配する有馬の心を弄ぶかのように、有馬を翻弄していく。
やがて、犯人の指示で有馬あてのメッセージを届けた女子高生の死体が発見され、古川鞠子の白骨体も第三者の会社に送り届けられる。死者を冒涜するかのような犯行やマスコミに対する不敵な挑戦。そして、有馬をはじめとする被害者遺族に対するあまりにもむごい仕打ちに、犯人に対する捜査員や一般市民の怒りは日に日に強くなっていた。
11月5日、群馬県の山中で一台の自動車が崖下に転落し、事故車のトランクから1人の男性の死体が発見される。自動車を運転していた栗橋浩美と助手席に座っていた高井和明の2人も事故のために死亡していたが、警察は両名の自宅の家宅捜索を行う。すると、栗橋の自宅から右腕を切り取られた女性の死体と、監禁された女性達の写真が発見され、捜査本部は栗橋・高井が連続女性拉致殺害事件の犯人として捜査を進める。
栗橋の部屋から発見された写真から、一連の事件で殺されたと認められる女性以外の姿を見つけ、捜査本部はその女性の特定、栗橋・高井が殺人を行っていたアジトの発見に向けて捜査を進める。
しかし、和明の妹・高井由美子は捜査本部の報告に納得がいかず、兄の無実を主張し続け、「栗橋主犯・高井従犯」説を唱えるルポライター・前畑滋子や有馬義男などに接触をはかるようになる。そんな由美子の後見人に、かつて浩美・和明と同級生だった網川浩一が名乗りをあげ、マスコミに華々しく登場してくる。
実は、かつての同級生、浩美・和明そして浩一の3人の奇妙な関係が、この事件の発端だったのだ。(Wikipedia)

 

長い、非常に長い長い小説。一番印象的なのは、長いストーリーのなかで、過去の一家惨殺事件の生き残りである塚田、失踪した鞠子の父親である有馬、それを追うジャーナリストの滋子、犯人の一人であるピース、ヒロミ、そしてその犯人に近い視覚機能の障害を持つカズ。

 

それぞれが主人公となる章があり、それぞれからみた事件の背景が非常に興味深い。また、その背景が重なり合って読む側に与える印象は非常に鮮明となる。ひとつの連続失踪事件をベースにそれぞれの立場をそれぞれの人物の側に立った見方で表現した宮部みゆきさんはさすがだと感じた。

 

決して明るい小説ではない。また、何かの教訓になる小説でもない。ただ単に、連続失踪事件を追うことで見えてくる登場人物の心の中身。そうしたものを作者は表現したかったのでしょう。

 

私としては、あまり後味の良い小説ではなかったが、ここまで徹底的に背景を描いた小説はあまり読んだことがなく、偉そうですが非常に関心しました。ここまで細かく登場人物を描くことに徹底した作品を私は知りません。

 

また、ピースの人物像ですが、今、この近くに、私の隣人にいるかのように思わせてくれるこの描写は決して小説だけの中の人物ではないと感じました。最近、単純ではない犯罪が多くなっている今、それを予測するかのようにこの人物像を表現したことは、ある意味今の時代を予測していたものなのかなと、先読みしてしまいました。

 

小説のジャンルとして、是非一度読んでみてほしい作品だと思いました。

 

ありがとうございました。

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コメント

サスペンス小説 模倣犯

単なるサスペンスだけではなく、被害者やそれを追うジャーナリストの心までを描いた傑作。

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