深夜特急|沢木耕太郎|おすすめ小説ランキング

深夜特急|沢木耕太郎

深夜特急|沢木耕太郎 辛口感想

 

 

 

 

 

沢木耕太郎の傑作。ノンフィクション的な旅行記。すでに古典となると言ってもいいほどの風格を感じさせてくれる小説です。

 

インドのデリーからイギリスのロンドンまで、バスだけを使って旅行する主人公『私』の物語であり沢木耕太郎本人の旅行体験に基づいている物語です。インドに到着するまでに滞在したた香港(マカオ)、バンコク(タイ、マレーシア、シンガポール)に始まり、インドのカルカッタからロンドンまでを、バックパッカーとして、陸路で旅行していきます。

 

この小説を最初に読んだときは、まだ20代の前半で、本当にドキドキしながら読んだ記憶があります。

 

本当なら、デリーからロンドンまでの道のりがメインとなるはずが、マカオ、バンコクでの旅が非常にインパクトがあります。泊まったホテルで知り合いになったさまざまな人たちとの交流が、読んだ当時の私の東南アジアのイメージを変えました。それまで貧困な街としかイメージがなかったものが、エキサイティングな街として大きく変わりました。

 

読んでいくうちに、主人公に自分を重ねることはよくあるのですが、主人公というより、この旅行を実際に体験してきた書き手の視点に自然と近づきたくなってくる小説ははじめてでした。特に東南アジアで出会った言葉の通じない女性とのなんとも言えない関係は、読んでいるこちらがドキドキしてくるような感覚にとらわれてきます。

 

今から20年数年も前の小説なので、古い旅行記は役に立たないと思うかもしれませんが、一度読んでみると、役に立つとか立たないとかではなく、「人がひとりで旅をする孤独と出会いと別れと一連の感慨」といった点では、いつの時代も変わらないものだと心から感じます。

 

初めて旅する筆者が初めて行き着いた東南アジア、そこでの生活はエキサイティングという言葉では表しきれないものだったのでしょう。しかし、旅をするにつれて、当初の驚きが薄れてくきたのか、インドではほとんど何もせずに暮らす筆者。その気持ちは何となくわかるような気がしました。

 

おそらく、最初の東南アジアでの生活が筆者にとって一番インパクトがあってエキサイティングでスリル満点だったのではないでしょうか。
この小説は、傑作と言ってもいいかもしれないですが、私的には、インド以降に関しては、最初の頃よりも面白味が半減してしまったようです。最初のインパクトがあまりにも強かったせいでしょうか。

 

“祭りのあと”という言葉があります。お祭りは、準備段階でも十分に楽しいですし、お祭りの最中は大変に盛り上がります。ただ、そのあとは、何かがぽっかり空いたようになってしまいます。この小説に当てはめるとしたら、お祭りは、最初のマカオで来てしまった感があり、そのあとは、そのインパクトがだんだんと薄れていくような感じでした。

 

でも、とにかく、良い小説です。

 

ありがとうございました。

分類

評価

コメント

紀行小説 深夜特急

20代までにぜひ読んでほしい1冊。生き方が変わった人もいるかもしれません。

ランクの目安は下記を参考にしてください。

「やめとけ!買うというより読んじゃダメだ。」というレベル。

「やめた方がいい。買うと損するぞ。」というレベル。

「時間があったら読んでもいいんじゃない。」というレベル。

「割といい感じだと思う。」というレベル。

「すごくいいぜ!読む価値あるよ。」というレベル。

「絶対読んで!何が何でも読んでね。」というレベル。
選定した本及び感想については大きく偏っている可能性もありますが、実際に読みたかった本や話題の本などを自分の好みに合わせて読んでいるだけなので、何を意識したものでもありません。また、ここで記述されてある感想についても管理者自身の感想となりますので、何かを保証するものではありません。

読書好きのための良いものグッズ

『美月幸房』
ブックカバー 帆布製


Beahouse
ブックカバー/ブラック


Beahouse
ブックカバー/マーブルブラック


リサイクルレザー文庫版
ブックカバー/キャメル


etranger di costarica
ブックカバー四六判/ブラック


ワールドCP
ブックカバー文庫版/ブラック


レイメイ藤井
ブックメイト/ブラック


フランク・ロイド・ライト
ブックマーク MoMA


ブックダーツ
チョコラベル75個ミックス



 
おすすめ小説TOP 掲載小説一覧 プライバシーポリシー お問い合わせ